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【改訂新版】良いウェブサービスを支える 「利用規約」の作り方

著者:雨宮 美季 (著), 片岡 玄一 (著), 橋詰 卓司 (著)
発刊:2019-04-12
カテゴリ経営・起業
対象読者事業責任者

書評

ウェブサービス運営者・起業予定者必見の一冊

ウェブサービスの運営者であれば読んでおきたい一冊がこの『良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方』である。
本書は、法務に詳しくないウェブサービス運営者向けに書かれた一冊である。

これからウェブサービスを立ち上げる、という方もしくはすでに運営をされている方は、ビジネスモデルの構築やマーケティング戦略など、「攻め」の内容については、あれこれ熟考をされていると思うが、「利用規約」や「プライバシーポリシー」といった守りのことについては、ほぼ考えていない、という方が多いのではないだろうか。

利用規約なんかどうせ誰も読まないし、同業他社のものをそのまま使えばいいでしょ?
法律のことはわからないし弁護士に丸投げでいいでしょ?
こういった考え方は大きな間違いである。

訴訟につながるリスクや、行政から事業をストップさせられるリスクなど、事業においては法務上のリスクが多く存在する。そんな様々なリスクをできる限り小さくするのが利用規約である。

しかし、かといって法律に詳しくない人からすれば利用規約など、どのようにして作成すれば良いのか、全くわからない、というのが実情であろう。

そんな方に向けて、法律に詳しくない人でもある程度の利用規約を自分で作れるように、という思いから出版されたのが本書である。

本書の構成としては利用規約についての概要からスタートし、より具体的な説明、利用規約のひな形、利用規約の落とし穴・注意点、といった内容で話は進んでいく。
実際に訴訟などで追い込まれた、また助かった事例なども多く掲載されており、具体的でわかりやすい。法律に詳しくない私でも、わかりやすい言葉で説明されており、しっかりと理解しながら読み進めることができた。

また利用規約・プライバシーポリシーのひな形も掲載されているので、それを元に自分のサービスに当てはめてある程度の形を作成する、ということも可能である。

これまで後回しにしてきている「利用規約」や「プライバシーポリシー」も、この機会に本書を読み進めながら、本当に今のままで問題ないのか、改めて確認しておきたい。

章の構成

  • ■第1章 3大ドキュメント超入門
  • 01 5つの疑問から読み解く「利用規約」ホントのところ
  • 02 最低限おさえておくべき「プライバシーポリシー」のポイント
  • 03 通信販売に不可欠な「特定商取引法に基づく表示」
  • ■第2章 トラブルを回避するための注意点と対処法
  • ■Prologue ある起業家から弁護士への相談
  • 01 規制とうまくつきあうには
  • 02 戦う土俵は「日本」とは限らない ~準拠法と裁判管轄の合意
  • 03 そのサービス名、使って大丈夫ですか? ~商標権の侵害
  • 04 ユーザーがコンテンツをアップする場合の「権利処理」
  • 05 契約を成立させるための「同意」の取り方
  • 06「 権利侵害コンテンツ」にはどう対応するか
  • 07 禁止事項とペナルティの考え方 ~最も登板機会の多い「エース」
  • 08 課金サービスでは「契約関係」の整理・把握が不可欠
  • 09 ウェブサービス事業者に有利すぎる条件は危ない ~免責と消費者保護
  • 10 ポイントの有効活用 ~資金決済法の前払式支払手段の規制
  • 11 CtoCサービスにおけるプラットフォーム運営者の落とし穴
  • 12 プラットフォームの利用・運営にまつわるリスク
  • 13 未成年者による利用と課金
  • 14 ユーザーのウェブ上の行動履歴は、どこまで利用していいか
  • 15 ウェブ上での広告・マーケティングに対する規制
  • 16 広告メールを送付する際に注意すべきこと
  • 役に立たない利用規約を生み出す「5つの落とし穴」
  • ■第3章 すぐに使えて応用できるひな形
  • 利用規約のひな形
  • プライバシーポリシーのひな形
  • 特定商取引法に基づく表示のひな形
  • ■おわりに 心に残る不安を解消するには

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