実験思考 世の中、すべては実験 (NewsPicks Book)
著者:光本 勇介
発刊:2019-05-09
カテゴリ経営・起業
対象読者経営者・起業家
章の構成
- はじめに すべてのビジネスは「実験」だ
- 「失敗」は自分だけの価値になる
- 「実験思考」で生きればこんなに楽しい時代
- 固定概念をすべて取っ払う
- いきなり起業せずに就職した理由
- 新卒採用がない会社に入社する戦略
- 20通りのアドレスにメールを送る
- 起業のネタに困ったことはない
- 貯金残高2万円
- 「STORES.jp」の誕生
- ZOZO前澤さんとの出会い
- 24時間で3.6億円をばら撒いた
- 「すべての人を信じる」ビジネスをやりたい
- 社長は暇なほうがいい
- 全力で「普通の生活」をする
- 「インターネットの人」にならない
- 人の「いいね」も「悪いね」も信じない
- 事業は「タイミング」が命
- 「ズレが限界に達しそうな業界」を探す
- 「表現」次第で市場は広がる
- いらないモノは極限まで「削る」
- ぼくが考える未来予想図
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書評
「CASH」を生み出した天才起業家の頭の中を公開!
ビジネス書は1,500円程度で販売されているのが通常である。
しかしそのビジネス書を原価390円(Kindleであれば印刷代がかからないので無料)で販売したらどうなるのか、という面白い取り組みの上で販売されたのが本書である。
その面白さに惹かれて思わず購入してみた(Kindleで無料で購入したので、果たして購入と言っていいのか・・・)
本書の著者は「CASH」という不用品買取アプリで一躍有名になった株式会社BANKの代表取締役光本勇介氏。
CASHというアプリは、アプリで不要な物を撮影するだけでお金が振り込まれる(その後撮影したものを郵送する)、というサービスで、人気のあまりリリースからわずか16時間でサービスを一時停止した、という伝説に残るアプリである。
そんな光本氏が書き記した本書であるが、光本氏はビジネスは全て「実験」だと語る。
新しい事業で成功しようが失敗しようが、それで消費者がどのような反応をするのかが分かればそれでよしと考える。
この考え方がビジネスマン全員にオススメできるものではないと思うが、一つの考え方としては面白い。
もちろん営利企業は利益を出さなければならないが、そこまで肩肘張らずにまずはやってみよう、ダメならその結果を踏まえてまた策を考えようという「実験思考」というのは、特にリスクを考えすぎる日本人には見習うべき部分も多いのだろう。
本書の構成としては、まず著者の考える「実験思考」とは何か、これまでに著者がビジネスで「実験」してきた内容、ビジネスアイデアの探し方、著者が考えている今後のビジネスアイデア、といった形で話は進んでいく。
利益を得る為に、という頭だけではこういったビジネスアイデアは浮かんでこない。
まずは思い切って「こんなことしてみたらどうなるんだろう」という興味本位からのアイデアというのも時には有用なようだ。
新しい事業を考えたいという起業家・経営者はもちろんだが、多くのビジネスマンに読んで欲しい一冊である。
昨今閉塞感を感じる日本に必要なのは何よりもイノベーションである。そして社会を変えるイノベーションを起こすことができるのは、こういった実験思考を持った人なのだろう。
まずは小さなことからでいいから「実験思考」というものを積み重ねていきたい。