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小さな会社が自社をRPA化したら、生産性がグーンとアップしました。

著者:小林 卓矢
発刊:2019-08-02
カテゴリテクノロジー
対象読者経営者・起業家

書評

中小企業でもRPAを導入することはできるのか

働き方改革に伴い、近頃よく名前を耳にする「RPA」。具体的に何のことなのかよくわからない、という方も多いのではないだろうか。
RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、その名前の通り、社内の業務の一部をロボットに任せ自動化してしまう、ということである。

ロボットは人間と異なり、人件費もかからず、ミスも起こらない、ということで生産性の向上のために大きく注目を浴びているワードだ。

そんなことができるのであればぜひ自分の会社にも、と考えられている方も多いが、実際は中小企業での導入はほぼ進んでおらず、一部の大企業でのみ少しずつ導入が進められているというのが現状である。

なぜそのような状態になっているかといえば、中小企業においてはRPAの導入はコストやノウハウ的にハードルが高いと思われているからである。

確かにRPAの導入は失敗することも多く簡単なものではないが、かといって零細・中小企業において手が届かないものではないと筆者は主張する。

本書「小さな会社が自社をRPA化したら生産性がグーンとアップしました。」は、中小企業向けコンサルティング会社を経営している筆者が、どうすれば中小企業にもRPAを導入することができるのか、について解説した書籍である。
実際に筆者が中小企業の経営者としてRPAを導入するにあたって経験したことに基づいた内容となっており、中小企業で働く社員・経営者であっても現実的にRPA導入を考えやすい内容になっている。今後RPAを導入しようと思っているが、何から手をつければいいのかわからない、という人にオススメ。

専門用語も少なく、IT素人であっても読みやすいため、内容もスイスイと頭に入ってくる。実際に筆者が作成したRPAの事例なども紹介されているので、どのような業務が自動化できるのかといったことも具体的でわかりやすい。自社の業務と照らし合わせて考えることができるため、よりRPAの導入を前向きに検討できる内容だ。

読み終わって感じたこととしては、思ったほどRPAの導入はハードルが高くないのではないか、ということである。私のイメージとしてはRPAは初期費用で1,000万円〜かかるものと思っていたが、パッケージ版RPAなどを使用することで、比較的安価に導入することもできるようである。多少の学習コストはかかってしまうようであるが、それでもある程度パソコンが触れるレベルであれば、問題なくRPAを導入できそうだ、という感想を抱いた。

これから労働人口減に伴い、確実にRPAの需要は高まってくるであろう。その流れに乗り遅れないように、早くからRPAの導入には取り組んでいく必要があるだろう。こういったRPA初心者に向けた書籍は非常にありがたいものだ。

章の構成

  • 第1章 導入1年前 ネットで知ったRPA。注目されているけど、どんなもの?
  • 第2章 導入半年前 まずは展示会で情報収集!小さな会社でも相手にしてくれる?
  • 第3章 導入3カ月前 比較検討から導入決断へ。どんな業者が中小企業にピッタリか
  • 第4章 いざ導入 事前研修からプログラミング。IT知識がなくても大丈夫!?
  • 第5章 導入後 ここまでできた!ロボットを公開!
  • 第6章 中小企業の導入支援へ RPA化の効果と可能性。こんなに生産性が上がるのか!

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