UBER ウーバー革命の真実
著者:立入 勝義
発刊:2018-12-27
カテゴリ経営・起業
対象読者経営者・起業家
章の構成
- 第1章 ウーバーの衝撃―米国タクシー産業に壊滅的打撃を与えたライドシェアリング
- 第2章 ウーバー“解体新書”―ウーバーの成功を支えた四つの背景
- 第3章 投資家から見たウーバー―投資の専門家でさえ「目利き」できなかった大型案件
- 第4章 ウーバー体験記―ウーバー運転手をしてみた
- 第5章 ウーバーの軌跡―世界展開の光と影
- 第6章 ウーバー日本上陸―日本に「Xデー」はやってくるのか?
書評投稿者募集しております。
BizBookでは書評を投稿していただける方を募集しております。
ご希望の方は下記よりお問い合わせください。
詳しい情報はお問い合わせ後にお伝えいたします。
書評
ライドシェアリングの筆頭「Uber」とはいったい?
本書は、エアビーアンドビーと並ぶシェアリングエコノミーの代表格とされる「Uber」について解説した書籍である。 筆者はカリフォルニア大学を卒業し、アメリカに20年以上の在住経験を持つ立入勝義氏。筆者自身も本業の傍らUberの運転手として活動している。
Uberはライドシェアリングと呼ばれる、一般の運転手と利用者をマッチングさせ輸送させるサービスのことである。近年アメリカを中心に世界各国でサービスを拡大してきており、日本においても度々話題に上がってきている。
本書では、Uberとはどういったサービスなのか、どのようなビジネスモデルなのか、どのような特色があるのかといったことについて、わかりやすく解説されている。複数の専門家の意見も交えて解説されているので、Uberやライドシェアリングについて知りたい、という人にオススメである。Uberの実際の使い方まで詳細に説明があり、実際のサービスのイメージもつかみやすい。
日本では規制の問題で展開されていないサービスのため、詳しくサービスの内容がわかる書籍は非常にありがたい。
またブロックチェーンやUI・UXなど、Uberの台頭に関わる様々なテック系の言葉の紹介などもあり、そのあたりの周辺知識も得ることができるため、Uberの技術的な特性についてもより深く理解することができる。
本書の大きな構成としては、Uberのサービスの特性について、投資家視点で見たUberについて、運転手視点で見たUberについて、日本でのUberの未来はどうなっていくのか、といった構成になっている。
アメリカではすでにインフラと化しているUberであるが、本書を読むとUberのサービスの良さやAIを用いた技術レベルの高さに驚かされる。破竹の勢いで成長してきたのも納得できる。
しかし筆者は、度重なる訴訟問題や運転手による犯罪、世界各国の規制の強化、競合の出現など、Uberの未来は必ずしも明るいものとも限らない、という。
また現にUberは日本での展開に苦労しており、この先成功するかどうかはわからない。既存産業を保護する動きに加えて、タクシー運賃の安さやタクシー網の充実など、アメリカほどライドシェアリングに対しての需要が高くないということも考えられる。
ただUberが日本展開に成功すれば、アメリカ同様に日本のタクシー業界は大幅な変革が起こることになる。その時に備えてライドシェアリング、Uberのサービスの特性について理解しておくことは必要であろう。