売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!
著者:川上 徹也
発刊:2017-12-06
カテゴリマーケティング
対象読者マーケター
章の構成
- 第1章 ダムで「カレー」が、水族館で「パン」が飛ぶように売れる理由 ~「ウリ」を変える~
- 第2章 なぜタクシーはのろのろ走り、たたみ屋は24時間営業を選んだのか? ~「売る時間」を変える~
- 第3章 漁港で「ケーキ」を、地球の裏側で「雨どい」を売る ~「売る場所」を変える~
- 第4章 おじさんがダメなら女子高生、女子高生がダメならおじさんに売れ ~「売る人」を変える~
- 第5章 「2割引き」と「2割キャッシュバック」どちらが売れるのか? ~「売る値段」を変える~
- 第6章 売れないならお客さんに売らせるワザもある!? ~「売る方法」を変える~
- 第7章 「もったいない」や「社会貢献」でもっと売れ ~「売る目的」を変える~
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書評
売り方を変えるだけで、いかにして商品を売ることができるか
様々な商品が開発されては消えていく昨今。商品が売れない、と言うことに悩むビジネスマンは多いのではないだろうか。
もちろん商品が悪いから売れない、ということは当たり前のことであるが、困ったことにいい商品なのに売れない、ということが多いのも事実である。
一体どうすれば自社の商品が売れるのか、多くのビジネスマン・経営者が抱える悩みである。
「売れないものを売る方法」という営業マンなら喉から手が出るほど知りたいと思うタイトルの本書。
本書の概要としては、商品そのものを変えることなく、いかにしてその商品を売れるようにするか、ということにフォーカスした内容である。
一般的にマーケティングというと、商品開発そのものも含めて考えることが多いが、本書については、あくまで商品はそのままという制限をつけた上で、その中でいかにして商品を売っていくか、その方法を紹介している。
もちろん、商品そのものがいいという前提であるので、商品に価値がないのであれば、まずは商品開発をやり直すべきであるが。
本書において筆者が伝える、「売る方法」について概要だけ説明しておくと
・売り文句を変える
・売る時間を変える
・売る場所を変える
・売るべき人・売る側の人を変える
・値段をかえる
・売る方法を変える
・売る目的を変える
といったものである
各売り方ごとに、具体的なケーススタディとともに紹介する形で話は進められていくためイメージが湧きやすく、非常にわかりやすい。様々な業界でのケースが紹介されるので自社商品に落とし込んで考えることも容易である。
また意外と、自分がよく使う商品・サービスも「元々はそういう風に売られていたのか」と純粋な興味として面白い話も多く、読み進めやすい。
売り方を変えるだけで、こんなにも売れることもあるのか、と目から鱗の内容が多かった。商品を開発するとなると、大きな投資が必要になるが、売り方を変えるだけであれば比較的小さな投資で完結することも多い。
商品そのもののクオリティに問題がないのであれば、売り方を変えてみるというのは一つの大事な選択であると改めて気付かされた。