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生涯投資家

著者: 村上 世彰
発刊:2017-06-21
カテゴリ投資
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書評

フジテレビ買収問題…「もの言う株主」村上ファンドの真実とは

本書の著者は、ニッポン放送・フジテレビ買収問題で「もの言う株主」として注目を集めた村上世彰。

買収問題では、マスメディアで「悪役」として報道された著者が、そこまでして実現したかったことというのは「コーポレートガバナンスの浸透・徹底による上場企業としてのあるべき姿の追求」であった。

日本経済の停滞は、資金が循環していないことにより起こっており、その大きな原因としては上場企業が必要以上に余剰資金を溜め込んでいるためである、という。
コーポレートガバナンス(株主からの監視)により上場企業は、必要以上の余剰資金を投資家へ配当としてリターンを返す。そうして投資家は新たな投資ができ、資金は循環していくため、経済は活性化する。これが上場企業としてのあるべき姿である。

本書では実際に村上氏が投資家として携わった、東京スタイル、ニッポン放送・フジテレビ、西武鉄道、阪神鉄道などの投資案件についても詳しく描かれている。
メディアでは「金の亡者」として報道された村上氏だが、実際には上場企業の正しい姿を追求するという一貫したポリシーのもと、「もの言う株主」として投資を行なっていたことがわかる。
日本経済活性化のために闘った村上氏の真実が描かれています。

投資に興味のある方だけでなく、純粋にドキュメンタリーとしても面白い一冊です。

章の構成

  • 第1章 何のための上場か
  • 第2章 投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス
  • 第3章 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む
  • 第4章 ニッポン放送とフジテレビ
  • 第5章 阪神鉄道大再編計画
  • 第6章 IT企業への投資――ベンチャーの経営者たち
  • 第7章 日本の問題点――投資家の視点から
  • 第8章 日本への提言
  • 第9章 失意からの十年
  • おわりに

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