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仕事は楽しいかね?

著者:デイル ドーテン
発刊:2001-12-01
カテゴリ自己啓発
対象読者事業責任者

書評

仕事に行き詰まりを感じている方へ。自分を振り返るきっかけになる一冊。

出張帰り、大雪で閉鎖されてしまった空港で、仕事で行き詰まり未来に期待感を持てない35歳の「私」はとある「老人」と出会う。
「私」はその老人に対し、日々の仕事での鬱積をぶつけてしまう。老人はそんな「私」に対して、様々な角度から含蓄ある言葉を投げかけ、「私」の仕事への価値観は大きく揺さぶられる。実はその老人は、誰もがアドバイスを欲しがる高名な実業家であった。

本書は「私」と老人の二人の会話を元に展開されていく。
毎日仕事に追われ将来への希望を失った「私」が、老人からのアドバイスをもとに、自己変革へのアイデアをつかんでいく物語である。

老人は「私」に対して、「目標を立てるな。目前の課題に集中すればいい」「まずは遊び感覚で試してみればいい。ダメならやめればいい」など、ある種気楽なアドバイスをする。「私」はその考えは間違っていると反論する。それに対して老人は、社会の流れ・自分の経験に基づき、理論を展開し、アドバイスを重ねていく。

毎日とにかく試してみること、日々変化をする必要があること、人は偶然を見落としていること…。
老人のアドバイス自体は何も特別なことではない。
誰もが聞いたことがあるような内容ではあるものの、老人ならではの独特の語り口が妙に説得力がある。

真面目で堅苦しい仕事観に疲れている日本人には、仕事観が180度変わる考え方である。
本書は分類としてはビジネス書であるが、二人の会話による展開のため、まるで小説を読んでいるかのようにグイグイ読み進められる。
仕事に行き詰まりを感じてしまっている、若手・中堅サラリーマンにはぜひ一度読んでいただきたい。
また事業立ち上げにも役立つエッセンスが詰まった一冊。

章の構成

  • 第1章 仕事は楽しいかね?
  • 第2章 人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。一つのくだらないことが〈何度も〉繰り返されていくのだよ。
  • 第3章 試してみることに失敗はない
  • 第4章 明日は今日と違う自分になる、だよ。
  • 第5章 これは僕の大好きな言葉の一つなんだ。「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」というのがね。
  • 第6章 必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ。
  • 第7章 目標に関するきみの問題は、世の中は、きみの目標が達成されるまで、じーっと待っていたりしないということだよ。
  • 第8章 きみたちの事業は、試してみた結果失敗に終わったんじゃない。試すこと自体が欠落してたんだ。
  • 第9章 あの実験で学ぶべきことはね、「あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えること」なんだよ。
  • 第10章 それはね、「あるべき状態より、良くあること」なんだ。
  • 第11章 もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?
  • 第12章 覚えておいてくれ。「試すことは簡単だが、変えるのは難しい」ということを。
  • 第13章 新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。
  • 第14章 きみが「試すこと」に喜びを見出してくれるといいな。

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