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日本一働きたい会社のつくりかた

著者:羽田 幸広
発刊:2017-04-08
カテゴリ組織開発
対象読者人事

書評

モチベーションが高い、自立型組織を作り上げるにはどのようにすべきなのか。

経営者・人事であれば常々、どうすれば社員が会社に対して愛着を抱き、高いモチベーションのもと、仕事をしてくれるようになるのだろうか、と考えたことはあるのでは無いだろうか。
私自身、会社組織の中枢の人間として、自分の目の前の業績だけでなく、離職率の改善やモチベーションの向上等、人事的な事項については、平日・休日関係なく常に頭を巡らせている。どうすれば長くこの会社で働いてくれるか、どうすればトップダウンではなく自立した動きができるか、どうすれば社員同士のコミュニケーションが活発化されるか…。
人事の仕事は、とにかくガムシャラにやればいい、というものでも無いため、非常に難しい。

ちょうど以前から私としても、社員や求職者が「この会社で働きたい」、と思える会社にしたいということは考えており、「日本一働きたい会社のつくりかた」という、本のタイトルに興味を惹かれ、本書を手に取った。

本書の著者は、日本最大級の不動産ポータルサイト「HOME’S」を運営する株式会社LIFULL人事本部長の羽田さん。
本の帯にもLINE元CEO森川さん、サイバーエージェント社長藤田さん、孫正義の弟でありガンホーの創業者 孫泰蔵さんとそうそうたるメンバーが並び、自然と期待が膨らむ。

内容としては、筆者がLIFULLにおいて、「日本で一番モチベーションが高い会社」と評価されるまでに行った様々な施策について、その具体的内容と当時の苦悩を描いている。
企業理念の必要性、採用に一切の妥協をなくすこと、採用基準の定め方、自立型の組織づくり、評価制度…
経営者・人事・マネージャーの方であれば、知っておくべき内容が事例をもとに体系的に説明されているため、非常に分かりやすい。

中には、すぐにでも実践することができる内容もあり、まずは試してみる価値もあるのでは無いだろうか。

インターネットにより、企業・サービスの移り変わりのスピードが速くなった今では、企業の盛衰は、社員が夢中で働くことができるか・モチベーション高く働くことができるか、ということにかかっている。
どれだけ人材の質を上げることができるか。本書にはそのヒントが隠されているように思う。

章の構成

  • 序章 会社が変わり始める日―「日本一働きたい会社プロジェクト」の始動
  • 第1章 経営理念に「命」を吹き込む―組織変革で絶対に欠かせないこと
  • 第2章 妥協のない、最高の採用―独自の採用基準をどう定め貫くか
  • 第3章 企業文化を醸成する―社員が安心して挑戦できる環境づくり
  • 第4章 結果を出す組織開発―12年からて「日本一モチベーションの高い会社」へ
  • 第5章 「社員が自ら学ぶ」人材育成―多様な経験を絶え間なく提供する
  • 第6章 これから、どんな会社をつくるのか―目指す企業グループの姿と働き方の革進
  • 第7章 会社の「信頼」を支えるために―勇気をもち、対峙する

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