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書評

自分が本当にやりたいことは何だろうか。キャリアに迷う全ての人へ。

本書の著者は、株式会社CRAZYの創業者である山川咲氏。
当社は完全オリジナルの結婚式をプロデュースするベンチャー企業。創業者の山川咲氏は、2016年に毎日放送の「情熱大陸」にも出演された方である。

実は私は前々からこの山川氏の大ファンであり、トークイベントなどにも参加したこともある。
笑顔が素敵な方で、その一方非常にアグレッシブな方、という印象を持っていた。

本書は、山川氏の幼少期から、学生生活、社会人生活、そして起業して今に至るまで、という創業物語兼自叙伝のような形で構成されている。
本の帯にもある通り、今後のキャリアに迷う方にはぜひ読んでいただきたい一冊である。

本のジャンルとしては自己啓発書やビジネス書としての位置付けになるが、波乱万丈の山川氏の生き方は、小説並みに面白い。
グイグイ読み進めることができ、なかなか感動してしまう。（どうも女性経営者が書かれた本には涙しやすい。。。）

中でも私が一番グッときたのは、山川氏が新卒で入社し、プライベートも全て捨てて働き、人生の全てだと思っていた会社を退職したシーンである。
私自身、同じように新卒で入社した会社で全てを仕事に捧げて働いており、自分と重なる部分が多く感情移入してしまった。

もしも、自分が会社を辞めたとしたらどう生きるのだろうか。
自分はこれからどのように生きたいのだろうか、とふと考えてしまった。

筆者はその後、海外への一人旅をきっかけに自分の生き方を見つけ、crazy weddingを創業する。
数々の失敗と成功を重ねながら株式会社CRAZYは大きな成長を遂げ、現在では80名ほどの規模の会社になっている。


「実は人生には失うものは何もない。大して大切ではないものを守るよりも、自分らしい人生を手に入れるために挑戦と冒険に生きる。」
これは本書のあとがきにある山川氏からのメッセージである。

今の会社が嫌だけどやめるのが怖い…。会社を辞めると世間体が気になる…。挑戦したい夢があるけど踏み出せない…。

多くのビジネスマンがキャリア選択において、このような「夢」と「現実」という葛藤に悩んでいることであろう。

しかし、山上氏がいうように、人生において失うもの、というのは実はそうないのかもしれない。
それ以上に、自分の夢を諦めて自分らしい人生を捨てることの方がよっぽど勿体無い。
自分の全てをかけた会社を退職する、というどん底を味わった筆者だからこその説得力がある。

私自身も、本書を読んだ後、自分の人生について改めて考えることとなった。
自分が本当にやりたいことは何か。今自分が守っているものを捨ててでも、成し遂げたいことは何か。

自身のキャリア選択について考える良いきっかけになるであろう。

あと一歩が踏み出せない、そんな時に勇気をもらえる感動の一冊。キャリア選択に悩むビジネスマンにはぜひ読んでいただきたい。