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トランプ大統領で「戦後」は終わる

著者:田原 総一朗
発刊:2016-12-29
カテゴリ政治・経済
対象読者その他

書評

日本はトランプ大統領、アメリカ合衆国とどのように向き合っていけば良いのだろうか。

『トランプ大統領で「戦後」は終わる』というセンセーショナルなタイトルに目を惹かれ、思わず購入してしまった。1945年に第二次世界大戦が終戦して、すでに70年以上が経過している。「戦後」と呼ぶには、現代はいささか時間が経過しすぎではないだろうか。

本書の著者は、政治・経済の評論家でありジャーナリストである田原総一郎氏。タブーの問題にもグイグイ踏み込んで行くスタイルが人気を博している(と同時に叩かれることも多い。)。

そもそも本書でいう『「戦後」は終わる』というのはどういうことなのであろうか。

日本国憲法は戦後GHQにより作成された「押しつけ憲法」であるとよく言われている。田原氏によれば、日本国憲法は冷戦下において、アメリカがことを有利に進めるために考えた内容になっているという。
平和主義として、軍隊の解散・軍事力の非保持を定めることで、日本の軍事力を弱体化させ、恨みの芽を摘んだ。アメリカが日本に駐在基地を置き、日本を守っているのも当初は、ソ連による共産主義の拡大を恐れたためである。

戦後70年以上経った今でも、第二次世界大戦後の冷戦に備えて作られた日本国憲法は一切変わっておらず、日米安保体制も大きな変更が見られない。日本はいわば「戦後」の状態のままなのである。

しかしトランプ大統領が誕生して以降アメリカは、各国からの駐留米軍の撤退も視野に入れており、それは在日米軍も例外ではない。

日本の政治体制は、冷戦やパックスアメリカーナ(アメリカ軍が圧倒的軍事力を元に世界各国に駐留し、警察官としての働きをすることで世界平和を保つこと)を前提に作られている。
しかし、トランプ大統領の誕生により、パックスアメリカーナが終焉を迎えようとしている。それはつまり日本の「戦後」は幕を閉じる(=憲法改正を含む制度改革が必要になる)ことになるのである。

トランプ大統領の誕生により、当然ながらこれまでの日米関係は大きく変わって行くことが予測される。
そんななかで、今後の日本はトランプ大統領、そしてアメリカとどのように向き合っていけば良いのだろうか。

本書は戦後史を交えながらそういった内容がよく考察されている。さすがは田原総一郎、というところであろうか。

本書においても、テレビなどではあまり大きく語られないタブーの問題にもぐいぐいと踏み込んで行くところが、田原総一郎らしい。外交や戦争などの一般の評論家からは聞けないような内容も含まれる。自分の意見をズバズバと主張して行くところが非常に気持ち良い。

170P程度の新書ということもありスイスイと読み進められる。まずは政治初心者の方にもオススメの一冊である。

章の構成

  • 序章 パックス・アメリカーナの終焉
  • 第1章 トランプ大統領は何をするのか
  • 第2章 外交の失敗と東京裁判
  • 第3章 押しつけ憲法と日米安保
  • 第4章 戦後レジームからの脱却
  • 第5章 対米自立と基地問題
  • 終章 日本の新たなレジームとは何か

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