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EXTREME TEAMS(エクストリーム・チームズ)--- アップル、グーグルに続く次世代最先端企業の成功の秘訣

著者:ロバート・ブルース・ショー
発刊:2017-11-19
カテゴリマネジメント
対象読者管理職

書評

最高のチームづくりとは一体なんなのか

かつては日本企業が世界を席巻していたが時代は変わりアメリカや中国を中心とした企業が世界で活躍している。

世界で戦うにはかつての日本的チーム作りでは太刀打ちできなくなってきている。それでは世界で活躍している企業はどのようなチーム作りを行っているのか。

そしてまさに、本書はどのようにして素晴らしいチームを作るか、ということについて解説した書籍である。

私も管理職としてチームづくりには常々悩まされており、何を重視して評価するべきなのか等考えている最中本書を見つけてに取った。

本書ではザッポス、ネットフリックス、ピクサー、パタゴニア、エアビーアンドビー、アリババ、ホールフーズといった世界的な先鋭企業を横断的に紹介し、一般的な企業と対にして話は進められていく。

近年チームづくりで望ましいことの一つとされているのが、「良い人間関係」が築かれていること。こちらは多くのビジネス書でもよく言われていることで、私も普段から気をつけていることである。

靴のオンライン通販を手がけるザッポスでは、マネージャーはプライベートな時間を、部下と費やすことを義務付けている、というほど社員同士の仲の良さを重視している。

そして日本でも昔から大事にされている「成果」。こちらについてもやはり重要なことには変わりないという。

「成果」と「人間関係」どちらを重視すべきか、ということは非常に悩ましい問題であるが、筆者によると両方を目指すべき指標とすべきだ、という。

成果だけを追えば、フォルクスワーゲンのように不正に走ることも、成果が上がるのであれば何をしても良い、という風潮が出来上がってしまう。逆に人間関係だけを追えば、人間関係が崩れることを恐れてマイナスのフィードバックや意見の衝突、ということができず硬直した組織が出来上がってしまうのだという。

なかなか両方を目指すのは難しそうであるが、ある程度の期間で区切って、目指すべき指標を切り替えると良いのだそうだ。

また企業においては、「執着心」を持っている社員をどれだけ雇えているか、ということが非常に大事である。

これは成功者に必須と言われるGrit(やり抜く力)とも関連し、プライベートなどに脇目も振らず自らの仕事を突き進む力である。

執着心を持った社員は、仕事をただの業務と捉えず、自分の使命として仕事を捉えている。

執着心を持った社員を雇うには、会社のビジョンであったりミッション、企業文化というものが大切になり、逆にこれに合わない人を採用してしまうとどんどん企業に合わない人材が流入してしまい、会社はマイナスに動いてしまう。

これは私自身も経験があり、特に最初のメンバーの採用を間違えると企業は身動きが取れなくなってしまう。

そしてまた今の日本企業にない文化として、社員同士が生産的に衝突をする、ということが必要だそうだ。先ほどの人間関係とも関連するがお互いに気を遣いあい、必要な議論ができなければ組織がよくなることはない。

自分自身、その気持ちは非常によくわかるし、相手の意見と相反する意見を発言することは得意ではない。ただそれでは議論としてはやはり不完全であるし、自分自身納得感が薄い。心理的安全性と呼ばれる、言いたいことが言える文化を醸成していくことが大切である。

ぬるま湯に浸かる状態は確かに楽であるが、それでは企業も個人も成長しない。本書に出てきた「成果」・「人間関係」・「執着心:という3つのキーワードを意識して自分自身成長していきたいものである。

章の構成

  • 第1章 成果と人間関係の両立
  • 第2章 執着心の共有
  • 第3章 能力より適性
  • 第4章 焦点を絞る。焦点を広げる
  • 第5章 ハードかつソフトな企業文化
  • 第6章 気まずさを恐れない
  • 第7章 エクストリーム・チームを作る

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