死ぬこと以外かすり傷
著者:箕輪 厚介
発刊:2018-08-28
カテゴリ自己啓発
対象読者その他
章の構成
- はじめに こっちの世界に来て革命を起こそう
- 第1章【考え方】予定調和を破壊せよ
- 第2章【商売のやり方】自分の手で稼げ
- 第3章【個人の立たせ方】名前を売れ
- 第4章【仕事のやり方】手を動かせ
- 第5章【人間関係のつくり方】
- 第6章【生き方】熱狂せよ
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書評
多動力・人生の勝算の編集者 初の著作
本書の著者は箕輪厚介氏。最近では「サンジャポ」をはじめとして様々なテレビ番組でも目にする編集者である。ここ最近の編集作としては堀江貴文氏の「多動力」や前田裕二氏の「人生の勝算」などが挙げられる。ビジネス書のベストセラーを連発した編集者として有名である。
私自身箕輪氏のファンだったため気になり本書を手に取った。
本書の内容としては、若手ビジネスマンに対しての様々なアドバイスが書かれている。ただし一般的なビジネス書とは内容を異にしている。箕輪氏らしい「ぶっ飛んだ」アドバイスだ。
本書の主張の一つに「無難にやっても意味がない。カオスに飛び込み、予定調和を破壊せよ」というものがある。周囲の人からの批判を恐れて、誰からもNOを言われないアイデアでは大ヒットは生まれないし人もついてこない、ということだ。
本書の内容もそれに通ずるものがあると感じた。これだけさまざまな書籍が書店に並ぶ中で本が売れるのは、他のビジネス書とは一線を画しているからだ。同業者など周囲からの批判を恐れてはこのような本は書けなかったであろう。
ただ全てが異端な内容を言っているというわけではなく、従来からの普遍的なアドバイスもちらほら見られる。誰よりも量をこなすことが大事・いい仕事をするには本当の人間関係を築くべき・やりたい仕事をするにはまずは圧倒的な結果を出すこと、など誰もが重要と認める内容も含まれている。
こういった従来から重要とされていることを徹底しているからこそ、箕輪氏の異端な発言は多くの人に受け入れられるのであろう。
他に私が大きく気になった内容として「仕事でお金以外を稼ぐ思考」が挙げられる。
箕輪氏は、幻冬社という出版社に勤めながら、副業で幻冬社の給料の20倍以上を稼いでいる。しかし幻冬社をやめるつもりはないという。理由としては幻冬社での仕事はお金を稼ぐ目的ではないからだという。では何を稼いでいるのか。
箕輪氏は幻冬社で「自分のブランド」を稼いでいるのだ。個人ではできない大きな仕事を幻冬社で成功させることで箕輪厚介というブランドを稼ぎ、副業でより儲かるような仕組みを作っている
この考え方は非常に新しい。サラリーマンの仕事に対して「お金を稼ぐため」「やりがいのため」「好きな仕事のため」という理由はよく挙げられたが、自分のブランドを上げるため、という考え方はあまり聞いたことがない。確かに自分の市場価値を上げていく上で頭に入れておきたい考え方である。
現代は本当に目まぐるしく社会が移り変わっている。今後はおそらく箕輪氏が主張するように個人としてのスキルやブランドが重要になってくるのであろう。社内政治に気を取られ、ご機嫌とりになっていてはこれから生き残るのは難しくなってくる。
やるべきこと・やらないべきことの線引きに気をつけたいものだ。