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働き方 完全無双

著者:ひろゆき
発刊:2018-04-14
カテゴリ自己啓発
対象読者その他

書評

働き方改革にひろゆきが完全理論武装

「2ちゃんねる」(現5チャンネル)創設者のひろゆきこと西村博之氏の著作。ひろゆき氏が書いた本はこれまで読んだことがなかったので気になって読んでみた。

全体の内容としては、ひろゆき氏が考える正しい働き方を説いた本、とでも言えば良いであろうか。これからの日本で生き残っていくためにはどうすれば良いか、というビジネスマインドを説いた本である。
一般的なビジネス書ほど肩に力が入っていないというか、いい意味で脱力して生きていけばよい、というように感じて好感が持てる内容であった。

2ちゃんねる創設者ということで、色々ぶっとんだイメージを持っていたが、内容としてはいたって真面目。というよりも論理がはっきりしているので全て納得できる内容であった。そういう意味ではホリエモンの著作よりも一般に受け入れられやすいのではないだろうか。非常に優秀な経営者としての考え、という印象が大きかった。

また海外在住経験が長いからか、日本と海外とを比較して日本の現状を説く、という内容が多かった印象である。 私はそこまで海外事情に詳しくないが、日本と海外ではここまで国民性に違いがあるのかと驚いた。と同時に、日本の国民性が今のビジネスにおいて大きなマイナスに働いている、というのにも危機感を持った。

国民性の違いとして一番印象に残った、というか危機感を持ったのは「よくわからない新しいもの」を日本人はすぐに規制してしまうところである。
仮想通貨やドローン、一昔前では検索エンジン等…、日本人は今となっては世界的にも大きな流れを生み出している技術・ビジネスをすぐに規制してしまう。そして規制緩和をした頃には時すでに遅し、世界に追いつけなくないという失敗を何度も繰り返しているという。
世界の覇権を握るチャンスはあったにもかかわらず、政府が規制することでイノベーションは阻害され、結局他国に追い抜かれ外貨獲得のチャンスを逃してしまっている。 この流れは非常にもったいなく、日本の衰退をより推し進めてしまっている。仮想通貨も途中までは日本が海外を出し抜くチャンスであったが結局は規制でうまくいかなくなってしまった。

また最近ではアメリカで無人バスの実験で事故が起こってしまい、アメリカ人の反応としては「最初だし仕方ないよね」という意見が多数の中、日本では「やはり無人運手は危ないから禁止すべき」という反応が大多数だったそうである。

こういった国民性が日本のイノベーションを妨げているし、結果として日本の成長を止めてしまっているのには非常に危機を感じる。

ひろゆき氏は本書の後半では、勝てるところで勝って、無駄に競争はしないほうが幸せであるとして、日本は観光業に力を入れていけば良い、と主張している。論理としても非常に納得する内容であり、確かにそのほうが日本人は無駄なストレスを感じることなく過ごせそうである。

私としては人工知能やVR・ARなど最先端の部分で日本人も勝負できるようになりたいと少々寂しくも思う。

章の構成

  • 序章 まずは「個人」と「社会」を分けるとこから
  • 第1章 能力なんてものは存在しない―個人の「攻め方」無双
  • 第2章 あなたが社会に殺されないために―個人の「守り方」無双
  • 第3章 会社がずっと生き残るわけないじゃん―経営者視点の「企業の論理」無双
  • 終章 日本はこうやって生き延びろ

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